コラムインプラント手術と病気

インプラント治療を受けられるのはご高齢な方ばかりとは限りません。 最近は若い人でも歯を無くされるとブリッジにするのに疑問を持たれ、早めにインプラントをご希望される方も多くなってきました。しかし、数本以上歯を無くされた方というのはある程度ご年配の方が多いようです。 インプラン治療は外科的手術ですから、まずは治療を受けられる患者様というのは健康体であることが不可欠です。しかし人間もある程度ご高齢になってくると、病気がちになるのも仕方のないことだとも思います。

しかし病気とは言っても現在ではインプラント治療に影響のある病気というのは限られてきます。たとえば心筋梗塞を起こしてまだ数カ月しか経っていない方にインプラントの手術を行うことはできません。またコントロールされていない糖尿病患者の方にもインプラント治療は向いていません。生活習慣病と呼ばれる疾患で内科医の管理のもとにコントロールされていないとインプラント治療は難しい場合が多いと思います。

そのような理由でインプラント治療を行う場合、やはり内科医との連携が不可欠になってきます。ご自身で病気のことを理解されている方は話が早いのですが、問題になるのは当院で血圧を測ったりして異常が見つかった場合、内科医受診をお勧めするのですが、それにご理解を頂けない患者様です。生活習慣病というのはほとんど自覚症状がありません。そのためご本人は「いたって健康」と思われている場合が多いためか、受診をお願いしても後回しにされる方が少なくありません。高血圧であれば手術中の不意の血圧上昇に対しての処置が必要になりますし、糖尿病をお持ちであれば感染に対する予防が不可欠となってきます。

よく「私は大丈夫だから・・・」という声をお聞きしますが、ご自身の安全のためにも念には念を入れて手術に向かう必要があると思います。 私は「万が一」がないように、術前にありとあらゆるリスクを無くしてから手術に臨むのを最善だと考えています。