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咬み合わせと健康の関係2

 今回から治療の流れに沿って話を進めて行きます。どのような疾患もそうなのですが、治療の前にはまず診査・診断が大事です。我々が日常の臨床で患者さんに最も多く訴えられる症状は歯の痛みです。そしてこの原因は?と診断を始めるわけです。咬み合わせの異常を今までは「歯」から「身体」への影響のことを説明してきましたが、その全く逆の現象も起きる場合もあるのです。
 例えば元々「腰」が悪い方であれば、腰のゆがみはその腰の上に乗っている背骨のゆがみを引き起こします。背骨のゆがみは、さらに上の「首(頚椎)」の傾きやゆがみを引き起こします。その「首の傾きやズレ」がかみ合わせの不調を起こすのです。
 この様に腰から、いわゆる体の下方から上方へ影響する上行性の場合と咬み合わせのずれから全身に影響する下行性の場合があるのです。ですから診断の最初は口の中の状態と全身状態を把握する事から始める必要があります。
 口の中の状態の把握には通常の歯科治療に沿って、レントゲンや視診による虫歯や歯周病の進行など一般的な診査を行います。その上で現状での咬み合わせの位置を確認しておきます。次に、全身状態の把握は姿勢やバランスの確認、寝た状態で手足の左右の長さの違いなど見た目での確認をします。そして骨の変形や位置の異常が無いか、特定の場所に圧痛が無いか、筋肉のコリやハリが無いかなどの確認をしていきます。これらの診査によって現状の把握の後に初めて、口の中の必要な治療や体の調整を開始します。最初に確認した咬み合わせの位置が体の調整によって変化するのであれば、全身の影響を咬み合わせが受けている事になります。逆に口の中の治療を進める事により全身の症状が改善され圧痛やコリが減るのであれば、咬み合わせや口の中の異常が全身へ影響を与えていることになります。そういう意味においても最初の診査・診断が重要なのです。
 「口の中」と、「口の中以外」が完全に分離している現在の医療制度では、このような発想自体浮かびにくいですし、一般の方にもこのような知識は浸透しにくいです。しかし最近では、体全体の診査、特に骨格が非常に影響していることが歯科の学会でも分かってきました。歯科医の間でも研究がすすみ、骨格の矯正や調整を組み合わせて行うと顎関節症などに良い効果があることが分かりました。次回は治療方法の具体例をご紹介していきたいと思います。

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