歯波長10600nmの比較的浸透性の低いレーザーです。レーザーメスとして使用すると、
ほとんど出血なく処置を行うことができます。大きく切開することが得意なレーザーなので、歯ぐきが腫れて、膿を持っているときなどに使用します。しかし、当院ではもっとも使用頻度の低いレーザーです。その理由は、
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連続波もしくは長い断続波なので、熱の蓄積が起きやすく、その結果痛みが出やすい。
その結果、常に麻酔が必要である。 |
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術中、細かい制御が難しい。歯科治療では0.1mm単位の制度が要求されます。 |
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歯ぐきに照射したところが黒焦げになりやすい。 |
私はレーザーメスとしてしか、このレーザーは使っていません。実際、膿を持って腫れている歯ぐきを大きく切開するときには、出血の少なさといい、早さといい、このレーザーにかなうものはありません。患者様の感覚も「あれっ?もう終わったの?? 何ともなかったよ・・」という感じです。しかし、それ以上のことは期待できません。
炭酸ガスレーザーのユーザーである私が、ここに敢えて短所ばかり列挙したのは理由があります。
先ほども述べたように、大きな切開をするときには、非常に優れたレーザーです。その特性を生かして、耳鼻科領域や美容外科などでは、有用なレーザーだと思います。それでは歯科領域ではどうでしょうか? 実際、日本で「レーザー治療」をうたっている歯科医の60%は炭酸ガスレーザーしか持っていません。本当に彼らが言っているような「無痛」で「歯の質を強化し」「歯周病」を治すことができるのでしょうか? 現実的には、国際学会で炭酸ガスレーザーの論文は、ほとんど見ることができませんし、現在レーザー先進国であるアメリカでは、歯科用炭酸ガスレーザーはほとんど販売されていません。(売れない・・といったほうが正しいと思います。)
世界の中でも、炭酸ガスレーザーのシェアが60%以上と、他の先進国と比べると、日本だけ、異常に突出しています。これは、アメリカを始め、他の先進国の歯科医は、レーザーに対するきちんとした知識を持って導入するのに対し、残念ながら日本では、何の知識も持たないまま、メーカーの営業マンの言うことを鵜呑みにして導入するケースが非常に多く見受けられます。また、他のレーザーと比べ、導入費用が安いことも理由に上げられます。そして、そういうドクターは、「レーザー=先進医療」というイメージで導入したものの、どうやって使用したらいいのかわからず、そのメーカー主催のセミナーで、御用商人的な講師の先生から、何の裏づけもない使用法を勉強してきて、患者様に行っているのが現実です。私も先日、どのようなセミナーなんだろうと、興味本位で潜入し、話を聞いてきましたが、言っていることは全く的外れで、ほとんどでたらめと思われる話でした。レーザーは種類によって性質、使用法が全く違います。また、レーザーによる歯科治療は、高度な専門的知識がないと、効果が期待できないだけでなく、患者様を傷つけることにもなりかねません。
もし、レーザー治療を受けられるときは、必ず歯科医に聞いてみてください。「先生はどんなレーザーを使っていますか?」「どのような効果がありますか?」「どうして先生はそのレーザーを私につかうのですか?」まともに答えられないドクターは要注意です。 |