プロセラとはノーベルバイオケア社が提供する最先端のオールセラミックシステムです。近年、歯科治療は、金属は使わず、物質的に安定し体に無害で審美的に良好なセラミックを使用する方向になりつつあります。しかし、従来型のセラミックは金属に比べ、はるかに強度が落ちるため、力のかかる大臼歯部(奥歯)や、かみ合わせの強い患者様にはオールセラミック冠による治療は難しいとされてきました。このシステムにより作られたオールセラミック冠は従来の3~5倍の強度を持つため、「破折する」ということはまずありません。全体重をかけて踏んでも大丈夫です。(私は実際、靴をはいて踏んでみましたが割れませんでした)

このシステムの特徴は、歯を削って型取りし、石膏模型を作るところまでは同じなのですが、それをスキャナーにかけ、大きさ、マージンラインを読み込ませ、独自のソフトにより3次元的にデータを取り込ませます。そしてそのデータは以前はスウェーデンのノーベルバイオケア社のコーピング工場に送られていましたが、2007年9月より千葉市にアジア初となるコーピング工場ができたため、そちらの方へインターネット経由で送られます。そしてそこで作られたコーピング(キャップ)が3~4日で歯科技工士のところへ送られるようになりました。以前スウェーデンに送っていた頃は1週間はかかっていたので、より早く患者様にセラミック冠を提供できるようになりました。そしてその後歯科技工士がそのコーピングの上に患者様の歯に合わせたセラミックを盛り付け、完成となります。その強度、仕上がりの美しさといい、従来型のオールセラミック冠やメタルボンドとは比較にならないぐらいです。

また、最近では、より強度の高い「ジルコニアコーピング」を使用することにより、ブリッジなどにも対応できるようになりました。これにより、かなり歯の欠損の多い方でもまったく金属を使用することなく、歯の治療を行えるようになりました。

日本でも5本の指に入るセラミスト、レゾナンス代表中村繁巳氏の仕事風景。美しいセラミック冠は彼の手作業により1本ずつ作成されます。

ここで重要なのは、確かにここまでの技工作業は器械で行なうため、どの歯科医院で治療を受けても同じなのですが、患者様の歯を最終的に仕上げるのはやはり人の手作業となります。患者様サイドによくあるのが、「同じプロセラだから、治療費が安い歯科医院のほうがいいんじゃない・・・」という誤解です。確かに治療費というのは自分が治療を受ける歯科医院を選ぶ大きな要素となりますが、私は審美歯科を行なう以上、「仕上がり」というのをもっとも大事に考えています。我々歯科医は歯を作る歯科技工士とペアになって患者様の歯を美しく仕上げる努力をしているのですが、ここでも資本主義の競争原理というのが働き、腕の良い歯科技工士は仕事が殺到しますので強気な技工料を設定してきます。また、あまり上手でない歯科技工士は技工料を低く設定しないと仕事が来なくなります。私の知る範囲でも、かなり治療費を安く設定しているところもありますが、実際の「プロセラ」を見ると、とても自分の患者様に使用しようとは思いません。やはりコストはかかっても最高のものを患者様に提供したい、それが私のポリシーです。

当院で行ったセラミック治療の数々。これ以上自然なセラミック冠を知っている方、ぜひご連絡下さい。

60代の女性です。ご覧のように綺麗になりました。

前歯6本をプロセラにて治療、左上の側切歯にダイヤモンドを埋め込みました。

オールセラミック冠(プロセラ)のリスク・副作用

リスクと副作用について

・金属単体のクラウンよりも若干歯の土台を削る量が多い。
・その方のお口の状況により、ごく稀に欠けたり壊れたりする可能性がある。
・事前に神経の処置(根管治療)が必用となることがある。