インプラントインプラント -失った歯を補う治療-

熟練と経験にもとづいた手術を行います

近年、歯科技術の進歩は目を見張るものがあります。その代表に上げられるのが「人工歯根」であるインプラントです。 顎の骨の中に、ねじ状のチタンの歯根を入れ、3~6ヶ月待って、そこに人工の歯を装着します。噛む能力、装着感もほとんど自分の歯と変わらないため、非常に快適に食事をすることができます。また、入れ歯を装着したときに起こり易い、発音障害(しゃべりにくい)も、ほとんど起こすことがありません。

また、歯が1本ないだけの方でも、従来のブリッジのように、両隣の歯を削る必要がないため、「残った歯にやさしい治療法」であるといえます。ただ、簡単な手術(抜歯程度)を行わなければならないため、高血圧、糖尿病などの疾患のある方には向かないことがあります。

当院ではドイツ・フリアデント社製の「ザイブ・インプラント」をメインに使用しています。このインプラントの特徴は、サイズのバリエーションが豊富であごの骨の薄い方から分厚い方まで対応できます。特に3.0ミリという極細の2回法のインプラント体はザイブ・インプラントにしか存在しません。下あごの前歯の部分は我々日本人を含む東洋人は非常に薄いのですが、このインプラントを使用することにより治療が可能となりました。またインプラント上にセラミック治療を行う場合でも、ジルコニアアバットメントを使用することができ、特に前歯の治療時には他のインプラントシステムと比べると仕上がりがきれいです。

その他、ケースにより5種類のインプラントを使い分けています。

  • 頭より根の先端に行くにしたがって細くなっており、いわゆる「先細り形態」になっている。これは天然歯と同じであり、天然の歯と同じような感じで、植立することができる。
  • 先細り形態になっているため、咬合圧(かみ合わせたときに生じる力)を適切に、あごの骨に分散させることができる。
  • 歯の形に似ているため、抜歯後、早い時期にインプラントを植立することができるため、治療期間を短縮することができる。
  • 歯のくびれの部分を太くすることができるため、人工の歯(セラミック冠等)を入れたときの仕上がりが美しい。特に前歯が欠損している方の治療では、他のインプラントで治療するよりきれいに仕上がる。
  • エンドポアインプラントは、その特殊な表面形態により、短くても骨に強固に付着するように設計されている。これにより、今までインプラント治療を断念せざるを得なかった方にも、インプラント治療が適応となる。

インプラントの手術には、熟練と経験が必要です。当院は名古屋で開業以来、多くの患者様にインプラント治療を行い、非常に喜ばれております。また院長自身は、勤務医時代より多くの経験がありますので、十数年にわたってトラブルがなく現在に至っております。またその実績に安住することなく、現在でも毎月、勉強会、研修会に参加し、技術の向上に努めております。

あと、インプラント治療において忘れてはならないのが、噛み合わせが非常に重要だということです。歯のないところに歯を作るわけですから、歯科医自身が、患者様の固有の噛み合わせを見つけ、構築しなければなりません。これを間違うとせっかく大変な思いをして手術をしたインプラントが、数年もしないうちにグラグラになってきた、ということにもなりかねません。噛み合わせというのはたった数ミクロン違うだけで、かなり大きな違いがあります。従来の、青色や赤色の紙を咬んで、噛み合わせを見るという方法では、その違いがわかるはずもなく、患者様の感覚と歯科医の経験にのみ頼る、いわば前近代的で不確実な方法が、現在でもまかり通っています。当院では噛み合わせをコンピューター解析するシステムを導入し、従来の方法と合わせて、より正確な噛み合わせを再現できるようにしております。

当院のインプラント治療

当院のインプラント治療だからできることがあります。安心して治療をお受けください。

CT撮影

歯科用CTを導入し、スピーディ・確実な治療をご提供します。

手術室

インプラント治療は外科手術です。ほかの歯科治療と比較にならないほどの滅菌レベルが要求されます。当院はインプラントの専用の手術室を備えております。

全身管理モニター

心電図、自動血圧計、酸素分圧モニターを備えた全身管理モニター。


無影灯

インプラント専用の無影灯。


インプラントのリスク・副作用

リスクと副作用について

(1)インプラント治療は、入れ歯・ブリッジ治療とは異なり保険適用外となります。
(2)骨の成長途中のお子さんは、インプラント治療はできません。また、痛み止め、抗生物質等を使用するため、妊娠中の方、妊娠の可能性のある方、授乳中の方は、インプラント治療を控えてください。
(3)心臓の疾患、骨粗鬆症などの方は、内科的な側面からインプラント治療に適さない場合があります。また、血圧の薬なども治療に影響する場合があるので、治療前に歯科医師に申告してください。
(4)インプラント治療は、入れ歯の治療とは異なり、外科手術を行う必要があります。手術では、今までは問題がなかった神経や血管などにも手を加えることがあるため、リスクが生じます。また、手術自体受けられない場合もあります。
(5)免疫力や抵抗力が低下しやすく、歯周病の発生リスクが高いとされる糖尿病の方、口腔内の衛生状態の悪い方、あごの骨が足りない方、喫煙者の方は、事前に生活習慣の改善・治療が必要な場合があります。
(6)インプラント治療は、あごの骨に穴をあけて人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を被せます。インプラントが骨に接着するまでに約3カ月~6カ月の治癒期間を要します。また、インプラントを埋め込む骨の厚みを増やす手術を行う場合は、さらに治療期間がかかります。
(7)インプラント手術の際に下顎神経に触れた、もしくは近かったなどの影響により、下歯槽神経の損傷(知覚異常や鈍麻)を起こす場合があります。インプラントによる神経の圧迫・損傷・切断がある場合は、インプラントを撤去します。状況によっては、経過を見る場合や、内服薬で治療を行う場合もあります。
(8)上あごにインプラントを埋める際に、上顎洞を破るリスクがあります。手術した時に感染が生じると蓄膿症になる場合があります。この場合、インプラントを除去することがあります。また、蓄膿症になった場合、耳鼻咽喉科で治療を受ける必要が生じることがあります。
(9)インプラント手術直後は、違和感・痛み・腫れ・出血などが発生する場合がありますが、大半は2~3日でおさまります。
(10)歯がない箇所のリカバリー治療では、欠損箇所のみの治療ではなく、全体の噛み合わせを考慮した方針を選択することをおすすめします。
(11)インプラント治療後は、定期検診とメインテナンスを継続する必要があります。インプラントは人工物であるためむし歯にはなりませんが、日ごろから丁寧なメインテナンスが必要です。また、口の中の衛生状態が悪いと、インプラント周囲炎という病気にかかる可能性があります。